移動用リフトで実際に利用者の体に接するのはつり具の部分です。
移動用リフトのつり具部分の種類は次の3種類があります。それぞれにメリット、デメリットがあり、一つのものを使うのではなく、使用状況に合わせて使い分けることが望ましいとされています。
- 両足の腿部分を別々に包む脚分離型は、ローバック型と呼ばれるタイプと、頭の部分まで回り込んで支持する
ハイバック型とに分かれています。 - シート型は頭の部分まで回り込んで支持するハイバック型と、そうでないローバック型に分かれています。
安定した姿勢で吊ることができますが、寝た状態からでないと装着が難しく、トイレでは使えないというデメリット
があります。 - セパレート型はシート型と違い、トイレや入浴に適していますが、障害の適応範囲が狭いため、使用できる人が
限られています。
移動用リフトのつり具部分の選び方のポイントは、体の圧迫や落下の危険を防ぐために利用者の体格や身体状況に合ったものを選ぶ必要があります。
リフトハンガーのサイズに合ったものであるかも併せて確認しましょう。
利用者の状態だけでなく、スムーズにハンガーに掛けられるかどうかや敷きこむ際の滑り具合など、介助者が使いやすいかどうかも大事な要素です。
移動用リフトのつり具部分の種類
脚分離型
脚分離型は、両足の腿の部分を別々に包むタイプです。
右足や左足を分けて包むことができるので、車いすに座ったままでも着脱が可能です。
脚分離型は更に『ローバックメッシュタイプ』と『ハイバックメッシュタイプ』に分けられます。 ローバックメッシュタイプは丈が背中まであり、頭を保持する力や座位姿勢を保つ力がある程度ある方に適しています。ハイバックメッシュタイプは頭部までカバーされるので、頭や首を自力で支えられない方でも安心できます。
シート型
シート型とは体全体を1枚のシートで包み込むタイプです。
下半身に敷く必要があるため、車いすに乗ったままの着脱はできないものの、全身がすっぽりと包まれるので 安定感が あります。
セパレート 型(ベルト)
体を支えるベルト状のパーツが2つに分かれているのがセパレート型で、ベルト型とも呼ばれています。
ベルトを脇の下と腿の下に通して体全体を支える仕様になっていて、着脱が比較的簡単です。
体を覆われる部分が少なく、リフトを利用する際にスボンや下着の着脱もできるのでトイレへの移乗にも利用できます。
入浴用
基本仕様はシート型と同様ですが、メッシュ素材が用いられるので浮力の影響でズレにくく、つり具に乗ったまま浴槽に入ることができます。寝たきりの方の入浴介助は大変ですが、入浴用のつり具があれば介護者の方の負担を大幅に軽減させられます。