歩行補助つえは多点杖やロフストランドクラッチ、松葉杖など一本杖以外の杖が該当します。
軽量タイプや支柱が可動するものもあり、身体状況や歩行状態に合わせて杖を選びましょう。
杖先のゴムがすり減った状態のまま使用するとすべりやすく危険ですので、定期的に杖ゴムは交換しましょう。
身体に合った杖の選び方
杖を選ぶ時には正しい姿勢での歩行をサポートして、転倒を防ぐためにも、適当な長さのものを選ぶことが重要です。
一本杖
『立った状態で手を下げた時の手首から床までの長さ』のものが目安。屋外で杖は靴を履いた状態、屋内で使う四点杖は靴を脱いだ状態で測ります。伸縮するタイプや折りたためるタイプ等、様々な種類があります。
四点杖
一本杖と比べて着地面積が広く安定性が良いのが特徴。しかし、屋外等の地面が凸凹したところではかえって不安定になるので、基本的には屋内での使用がおすすめです。『多点杖』と呼ばれることもあります。
ロフストランドクラッチ
足の小指の外側15cmのところに杖をつき、肘を軽く曲げた状態で腕輪に前腕を入れて肘の関節が約30度ほど曲がった感じになる長さが目安です。腕輪に腕を通して固定し、他の杖と同様の握りに加えて腕輪でも体重を支えるタイプです。2点で杖を持つことが出来るので握力の弱い方や手首に力が入りにくい方に適しています。
松葉杖
利用された方の身長から40cmを引いた長さが目安となります。歩く際に腕の力が必要になりますが、片足に体重がかけられない方などに適しています。
高さの調整のポイント
肘を曲げた角度が30°になる高さに合わせる
杖を使う側の足の小指から『前方、外側に15cm』さらに『前方に15cm』出した点についた時に、肘関節の角度が約30°になるように調節します。
床面から足の付け根の高さに合わせる
『足の長さ』とは、床面から大転子部までの高さを目安にします。大転子とは、『気を付け』をした時に、両側の手首のあたりに当たる、足の付け根の骨の出っ張りの部分のことをいいます。
腕の垂直に降ろした際の手首の高さに合わせる
とう骨茎状突起(とうこつけいじょうとっき)、もしくは尺骨茎状突起(しゃっこつけいじょうとっき)と呼ばれる、手首付近の出っ張りの位置を目安にします。
杖ゴムが摩耗しすり減った状態で杖を使用し、滑って転倒してしまう。 摩耗した杖ゴムは危険ですので、適宜交換が必要です。 |
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多点をナナメに突いてしまい、バランスを崩して転倒してしまう。 多点杖の足が一点しか接地していない状態だと不安定で危険です。階段や敷居等段差が多い場所も全ての足の接地が難しい場合があります。必ず多点杖の足が全て接地している状態で使用してください。 |
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急な坂道で使用し、杖がナナメになることでバランスを崩して転倒してしまう。 |
杖ゴム交換時期の目安
杖先のゴムがすり減った状態のまま使用すると滑りやすく危険です。使用中の杖の先端ゴムが以下のような状態の場合はご相談ください。