床ずれ防止用具には、エアマットタイプとマットレスタイプがあります。
寝返りを打つことができない方や痩せ型の方、骨突出のある方などは床ずれのリスクが高くなります。
そこで、複数の空気の筒などを拡張・収縮させることによって体を支持する面を変化させたり、より広い面で身体を支えたりすることで体圧を分散させ床ずれの悪化を防ぎます。
また、ポンプの働きでエアマットの傾きを変化させて体位変換を促すものもあります。
床ずれとは?
床ずれとは、『血液の流れが悪くなることで、皮膚やその下にある組織が壊死してしまう状態』をいいます。
寝返りを打つことができなかったり、瘦せ型の人や、骨突出のある人は骨と寝具に挟まれた時に体圧を分散をすることができない為、床ずれのリスクは高くなります。
床ずれはなぜ発生するの?
床ずれは骨の突出した箇所に圧力、ズレ力、摩擦力などの外力が加わることで発生します。
どうすれば床ずれは防げるの?
床ずれは一度できてしまうと、治るのに時間がかかります。そのため予防が大切です。
①体にかかる圧力を小さくする。(床ずれ防止用のマットレス、エアマットレスを使用する)
②一か所に圧がかかっている時間を少なくする。(体位変換を行ったり、離床を促す)
床ずれの発生する原因
床ずれには様々な要因が関係しています
①圧力 | 同じ姿勢でいると、体には常に圧力がかかっています。 |
②ズレ力 | 皮膚がズレると、ズレが生じた部分は血液の巡りが悪くなります。 |
③摩擦力 | 皮膚の表面がこすれることで、キズができてしまいます。 |
④ムレ | 皮膚がふやけて弱くなり、摩擦力が強くなることで傷つきやすくなります。 |
⑤栄養状態 | 栄養状態が悪いと、皮膚の形成に支障をきたします。 |
⑥拘縮 | 身体の変形により、体重を受ける面積が少なくなります。 |
⑦骨突出 | 骨突出があると、その部分への圧力が集中します。 |
床ずれ防止には体圧分散が有効であり、看護介護の現場ではエアマットレスを使用するなど様々な対策が行われています。その際に、身体と接触面に発生する圧力を正しく数値化することはマットレスの選定や看護介護の評価には欠かせません。
ウィードメディカルでは『パームQ』を利用して床ずれ予防マットレス・車いすクッション搬入時、モニタリング実 施時に圧力測定をさせて頂いております。
床ずれ(褥瘡)の豆知識
床ずれ(褥瘡)は血流障害
床ずれ(褥瘡)とは長時間同じ姿勢でいることが発生の原因ですが、それは血流が関係しています。
同じ姿勢でいると血液の巡りが悪くなります。その結果として細胞に栄養分がいかなくなってしまい、細胞が壊死してしまいます。爪を指で押すと白くなることは血流が滞っている状態なのです。
声をかけよう
皆さん急に後ろから声をかけられたり、驚かされたりして体がビクッとした経験があるでしょう。
介護をする際、声かけもなく体位変換やオムツ交換などをすると介護される側はびっくりし、緊張してしまいます。
この緊張は筋緊張や拘縮につながり、床ずれ(褥瘡) の原因になってしまいます。
圧抜きをしよう
私たちは意識して寝返りを打ったり、服を引っ張り直すことができます。しかし、寝たきりの人はそれができません。
介護者は細かく状態を確認し、背中や太ももなどのベッドと密着している箇所に手を入れて摩ってあげましょう(圧抜き)。
市販でマルチグローブという介護用品があります。またスーパーの袋でも代替が可能です。これを使うと摩擦が少なく圧抜きも簡単に行えます。ベッドから体を少し離してあげるだけで圧を取り除くことができます。
エアマットレスのヒヤリハット
ヒヤリケース①
端座位を取った際に、エアマットレスの空気が流れてしまい、傾斜がついて大きく沈み込んでしまったため、座位姿勢が崩れて転倒しそうになった。
エアマットレスは床ずれを防止するため、一般のマットレスと比べるとかなり柔らかく広い面積で身体の重さを支える構造になっています。一か所に力が加わると大きく沈み込んでしまう性質を持っています。そのため立ち上がったり、介護者が膝がつくような場面では沈み込んでしまい、バランスを崩してしまい、ベッドからの転倒につながる危険があります。
ヒヤリケース②
介護者が掃除をしている時にエアマットレスとポンプをつなぐホースを誤って抜いてしまった。
ポンプとエアマットレスをつなぐホースが折れ曲がっていた。
ホースがポンプから抜けてしまう、ホースが折れ曲がっていたという事例は多く起こっています。ホースが抜けたり、折れていたりすると空気がマットレスに流れなくなります。そうなるとエアマットレス本来の性能が失われてしまい、床ずれ(褥瘡)のリスクが上がってしまいます。ポンプの置き場所を確認し、十分に注意してください。
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