要介護者である高齢者が自宅の浴槽では入れることが困難な場合、簡易浴槽を使うことで、介護者や家族の方の負担軽減を図ります。

簡易浴槽はポータブル浴槽とも呼ばれ、入浴時は風呂からお湯をくみ上げる機能がある製品や、使用後の排水ができる排水ユニットと一体になった製品もあります。

簡易浴槽を選ぶ時は、このお湯の入れ方や排水の仕方をよく確認し、自宅で使用しやすいかどうかをしっかり確認する必要があります。

【より安全で快適な入浴介助のために】

  • お湯を流すホースの距離:ホースが長すぎると、簡易浴槽に注がれるお湯の温度が下がってしまいます。
  • 手早く入浴する:簡易浴槽には「加温」の機能は付いていないため、適温を維持することが難しくなります。脱衣や更衣に必要な物品(タオルや着替え、腰かけるいすなど)はあらかじめ用意しておきましょう。
  • 入浴時は目を離さない:簡易浴槽は、一般の浴槽のように全体が固い素材ではできていない製品があります。不用意に寄り掛かったり1ヵ所に体重をかけてしまうと、簡易浴槽の形状が崩れるだけではなく、入浴している要介護者も体勢を崩してしまう可能性があります。事故を避けるためにも、入浴中は介護者の目を離さないよう、十分に注意しましょう。

簡易浴槽の利用方法

簡易浴槽を利用する際には、まず給水と排水の問題を考える必要があります。
ホースの距離が長いと湯温が下がってしまう為、給水・排水がスムーズに行える場所での利用がオススメです。
更に、使用中の水蒸気や換気にも注意しなければなりません。

空気式の浴槽の場合は、介護者に体力が無い時は電動ポンプを使用してください。空気の浴槽は、空気を入れて
浴槽をセッティングします。使用する前に、空気が漏れていないかどうかをご確認してください。

簡易浴槽を使用する際は、床またはベッドから簡易浴槽に移乗する必要がある為、家族や介護者達で協力して
介護を行うようにします。高齢者の体調を見て、普通より血圧が高い場合は、無理をせず入浴を中止してください。
入浴中も高齢者の顔色を見ながら、何か変化があった場合は直ちに中止するようにします。

簡易浴槽の選び方

簡易浴槽を選ぶ際は、例え空気式ではない硬い材質のものであっても、使用しないときに立てかけるなどして収納しやすい
ものを選んでください。

浴室の浴槽から湯を引く場合はホースが長くなって温度が下がりますので、快適に入浴する事は不可能です。
そのために利用する場所をどこにするかは、簡易浴槽の特徴を踏まえながら事前に検討する事が重要です。

また浴槽本体は、浴槽が深いと浴槽からの出入りに労力が伴い、介護者にとっては負担が大きくなります。
浴槽内は滑りやすい為、手すりをはじめとした設備の位置も確認しておくと安心です。

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